2010年2月1日月曜日

出演者による日々更新♥43

一昨日の日曜日、本公演出演者の山本くんことヒロくんの家、そしてその近辺で「西山真来はなぜこうなってしまったのか」のCM、そしてその他もろもろの撮影をしました。噂の通り、見事な空間の使い方による落ち着きのある佇まいで山本宅は僕と西山さんを包んでくれました。ですが間髪入れる間もなくその佇まいをあとかとも無く壊しました。引き出しやら机やらをあっちへこっちへ動かして。
黒澤明監督が自分の決めた画の中に気に入らない家でもあろうものなら、それが可能であれ不可能であれ、躊躇する事無くまずその家を無くす事を考えた、というのはよく聞く話ですが、本当に映像、映画というものは何気なく見つめているフレームの外側に場合によっては想像を絶するような努力や時間、いろいろな人々の力が隠されている。そもそも当たり前に見える時点でやっぱり凄い事なのだなぁというのはよく考えます。ある意味では“作品”になる最低の基準が、超えなければならない最初のラインがこの“違和感の無さ”ということなのかもしれませんが…。
稽古も残り二日を迎えた訳ですが、やはりお客さんの前に現れる動きやら言葉やら想いやらはそのような取捨選択、これまでの稽古期間を通して無かったものが加わって行き、あったものがなくなるというような過程を経た状態な訳で、より真直ぐな芯を現象させる為に長い期間みんなで、言葉や身体で「あーだこーだ」する訳ですが、ここ一週間はその作業がハンパなく多く繰り返されました。当然といえば当然なのかもしれませんがここに来ても尚、本番どのようなものになるのか未だに想像するのが難しい状態です。特に舞台表現というものはその場その場が生もの、オリジナルなものですからやっぱりそれは「そりゃそうだわな」と言わざるを得ないのでしょうかね。

…とか言いつつも稽古の帰り際に自分の滑舌の事を指摘される。滑舌なんてのは“違和感”以前の問題だから、いろいろと理屈捏ねる前に僕は僕のことにもっと自覚的にならなくては…。濱崎の滑舌にも注目です。

撮影終了後、帰宅前、変わり果てた自身の部屋を前にして、「壊されついでに模様替えでもしようかな。」そのようなポジティブな発言がなめらかに引き出される彼はやはり「男前」だ。明日から公演場所であるART COMPLEX1928前にてCMが流
れます。公演を観に来られる方も、そのような予定が無い方も、お近くをお通りでしたら是非一度足を止めてみて下さい。

濱崎彰人

0 件のコメント:

コメントを投稿