2010年1月13日水曜日

出演者による日々更新♥24

児玉です。
寒いですね、今日。

今日はざっくりと通し稽古をしました。
日々変化する演出に、はてどこまでが暫定していたのだったか、と思い 返しつつ、今日はここまでだったなと体を動かします。

個人的な感想としては、抜き稽古よりも通したほうが視界がクリアになります。当たり前のことかもしれませんし、他に演劇の演出を受けたこともほとんど無いのでわかりませんが、今回の公演は、その傾向が顕著
に感じられます。
と、いうのも『西山真来はなぜこうなってしまったのか』は、僕は僕の役柄の軸を考えて、ということが成り立たないのです。どうやら、僕は僕と僕の役柄だけではなく、僕は山本くんかも知れないし、坂本さんかもしれないし、西山さんかもしれない、といったふうにこのところ感じられてきました。

ゼロ年代と呼ばれる時代も終わりましたが、その時代、様々なメディアで大きな流れを担っていた思想に「セカイ系」というものがあります。
簡単に説明しますと、僕と彼女(唯一の他者)という小さな、そしてはみ出さない枠がありまして、そのミクロと、たとえば世界の危機や滅亡といったマクロが、中間を抜いて直結している物語構成のものを広くそう呼称しているようですが、そんなことよりも、西山さんは今日、髪を後ろでまとめて稽古場にいらっしゃいました。
とはいえ、ジーンズをルーズに履きこなしラジカセ(稽古で使用します)を片手にやってくるヒップホップスタイルはいつもと同じでした。
濱崎くんは、もう肌なんじゃないかというくらい毎日同じ服です。山本くんはいつもスタイリッシュなオシャレさんです。村井さんは、シルバーのベンチコートを格好良く着こなし、稽古中には台詞を間違えたものの、その瞬間を最高に劇的な瞬間に昇華させ、青い自転車で帰っていきました。西村さんもまた今日もとてもオシャレで、こちらは赤い自転車のような乗り物に乗って帰っていきました。坂東さんは今日もお菓子をくれました。昨日もくれました(プリッツ)。そういえば昨日は坂本さんにもお菓子をもらいましたが、ラスクなのに明太子味で、九州のお土産とのことでしたが、とてもおいしかったです。

さて、「僕と彼女(唯一の他者)」の僕が、僕だけでなくこのような多種多様な方々なのだとしたら、とても複雑です。複雑というか、解明できるようなものではないので、そうなれば、それをじっと観察し、「緻密に汲み取る」くらいしか、なす術はないでしょうか。仮にそうだとすれば、西山さんはそれをされているということになるでしょうが、その西山さんすらも僕の一面なのかも、と思うと、果たして『西山真来はなぜこうなってしまったのか』、それを説明するのはいよいよ誰になるのでしょうか。
こればかりは幕が開けないとわからないです。

児玉悟之

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