2010年1月25日月曜日

出演者による日々更新♥36

残りの稽古日数が9日ということを知り愕然としています。「一生は短い。一日は長い。」誰かの格言というわけではなく、昔僕の母が言っていた言葉です。一月とか一年とか、そういうものは体感出来るものではなくて顧みるもの、そして顧みるのは今日や現在なわけだから、ある長い期間を経て顧みる時間ていうのは必然的に“早い”と、思わず口に出して言ってみたくなるのが人の性というものなのでしょうか…。過ぎ去るもの、忘れるものだからっ!人間と言う生き物はっ!…などとは言わずに、思い出せる内や後悔出来るうちにこれまでの稽古の事や時間のことを噛み締めて残りの日々をしっかりと、気負う事なく過ごしていきたいものです。「そっかぁ、もう2010年ですね…」 2001年を迎えた時誰もがキューブリックの映画を思い出して「やっぱりここまではいかないものだねぇ。」などと胸の内で呟いたものだと思うのですが、その映画の続編にあたるのがピーター・ハイアムズ監督の「2010」。観ていないのでなんとも言えませんが、やっぱりそこまではいってないのでしょうね、憶測ですが。とにもかくにも早い早い。
このブログをある程度呼んでいる方、あるいはフライヤーを御覧になった方は御存知だと思うのですが、本公演の原案は舞城王太郎氏の「好き好き大好き超愛している。」です。だから必然的に“恋愛“について考えさせられます。机の上には吉本隆明氏の著作「超恋愛論」が、その一節に恋愛の感覚とは「細胞同士、遺伝子同士が呼び合うような感じ」とあります。誰にも恋の経験はあると思いますが、そのような感覚はしばしば日々の中で忘れてしまいがちです。忘れる、というだけでなく何かに覆い隠されたり、汚されたりして見えにくくなってしまっていることが多いと思います。過ぎ去るもの、忘れるもの、変わるものだからっ!
といわずに、“腹減ったから飯食う”みたいな純然な感情が誰かとの間に芽生えた事を確かめたい。「好き好き大好き超愛してる」と大声で叫ぶようなことは日常では滅多に無いですが、案外そういったことで、そのような純然な感情が再び自分の内に呼び戻される事があるのかもしれない。ジンジンするお尻をさすりながら、稽古場で思ったこと。

濱崎彰人

0 件のコメント:

コメントを投稿