今日は西山真来ダンサーズの日らしいです、金曜は稽古に出られません。次回どんなダンスが見られるのか楽しみにしています。私も日舞がんばります。
まったく別の話をします
ミクロとマクロの世界
私が高校生の時、学校の特別授業で京大のノーベル賞候補者であった科学者の話を聴講した時のこと。白髪のお年をめされた博士はブロッコリーを片手にある数式について語ってくれました。ブロッコリーは全体からその一欠けらをとってもやはりブロッコリーの形をしていて、細胞レベルまでもが全体の形状の相似形である。つまりブロッコリーはその一部どこをとってもブロッコリーであり、ブロッコリーは小さなブロッコリーの集合体であるといえる。これを数式に当て嵌め計算すると見事に美しい図形ができあがる。それはまるでアンモナイトのような形の模様がいくつも並ぶCG画像、その一部を拡大してみても渦は永遠におわることなく肉眼では見えないミクロの世界までも続いているのです。
その数式の名前も忘れてしまったし、その数式を私は全く理解できませんでしたが、その博士のブロッコリーを握り締めての熱弁と、最後にブロッコリーを『食べてください』とスーパーの袋に入れてくれたこと、数式による図形の画があまりにも美しかったので、まさに目を丸くして感動を覚えたのでした。ブロッコリーの偉大さに魅了され暫くの間、「街路樹はブロッコリーだ」「私の細胞の一つ一つに私がいる」「私は世界の一部で、世界は私の一部である」と果てしない妄想の中で日々興奮状態でした。いつかこの数式をダンスにしたい。私は常日頃から踊る子でしたが、どうやらこのとき最も踊ることを志したように思います。
今まで忘れていたのにふと思い出しました。
西山さんの稽古が始まってからふとわかったことがあります。ピンとくる。それは、私とか役とか超越してここに立つこと。つかめそうで掴んではいけないもの。感覚的過ぎて表現がなってないですが、私にとってとても大事なものです。いつもギリギリの所に立っている。それを選択するのだと。
西山さんこそそんな宙ぶらりんの何も無いところに安定して立っている。そのように見えます。我々はこの果てない宇宙で浮遊しているわけですが、皆さんと出会うことができるのでしょうか、根拠のない確信が私に揺さぶりをかけます。慎んで公演を迎えたいものです。
西村麻生
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